メニュー

ときわ公園

logo

ときわミュージアム UBE Tokiwa Museum 緑と花と彫刻の博物館

ときわミュージアム UBE Tokiwa Museum 緑と花と彫刻の博物館

風に向かって

風に向かって

Information

作家名 : 井田 勝己(いだ かつみ)
制作年 : 1997年
設置場所 : 宇部商工会議所前
素材 : 花崗岩、玄武岩
サイズ・重量 : 250cm×500cm×140cm、14300㎏
備考 : 第17回現代日本彫刻展、神奈川県立近代美術館賞

空中に浮かぶ赤い船。割れ肌を残し、バーナーで焼き付けた白い甲板に対して、船体は磨き出した赤色。玄武岩も自然石のままの下半分に対して、上半分のみを黒く磨き出す。この艶やかな二つの色が、船を浮かべる水を連想させている。
船には一枚板の花こう岩を使用し、それを前後二つの石で支える。横たわる石の重心部分を浮かせることによって、重力を喪失したような、浮かぶ船のイメージをつくる。加えて、幅の狭いシャープな形態や船体に等間隔に刻まれた線、船首を高く掲げた姿が『風に向かって』進む船を印象付ける。
一方、甲板に刻まれた小さな廃墟のような街。作者は細部にまで、いとおしむように手を込める。手のひらに収まるかのような街は、客観的な街ではなく、むしろ個人的な内面に繋がっていく。船全体のダイナミックな動きとは対照的で、ここだけ時間が止まってしまっているかのようにも思える。
全体の記念碑的な造形と、その中で「護符」のように握りしめている思い。「言葉にならない言葉、内なる言葉を、彫刻という形を借りて提示しようとしている」と作者は言う。