5月28日 同居はじめました
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2025年05月28日)
こんにちは!
皆さんは〈バックヤード〉という言葉をご存知でしょうか?
動物園では、お客さんの目に触れない裏方の施設のことを〈バックヤード〉と呼んでいます。
裏方と言っても、毎日餌の準備をする調理室や、動物を治療する獣医室など、大事な場所ばかり。
そして様々な事情により、展示場の群れから離れて暮らす動物たちもバックヤードにいます。
今回ご紹介するのはフサオマキザルの♀ぺルドンと、リスザルの♀ウメ。
〈カメラが気になるぺルドンと、遠くから見ているウメ〉
種類の違う2頭ですが、昨年末から同居中です。
カメラに寄ってきてしまうので並んでる写真はありませんが、仲良くやってます。
〈くつろぎのウメ〉
ウメはもともと展示場の群れで暮らしていたのですが、てんかん(急に意識を失ったり、身体に痙攣が起きたりする病気)の発作が見られるようになり、安全のためにお引越ししました。
ただ、群れで暮らす生き物として、だれか同居相手がいたほうがいたらいいなあ~...ということで白羽の矢が立ったのがぺルドンでした。
〈もぐもぐのぺルドン〉
ぺルドンは展示場の群れと相性が悪く、単独飼育をしていた個体です。
フサオマキザルとリスザルは野生下で混群が形成されることもあるため、同居相手として試してみてもいいかも!
〈お見合い初期の2頭。まずはケージ越しから。〉
〈お見合い中期。ぺルドンの餌を目の前で堂々と取っていくウメ。〉
...ということで、じっくり時間をかけてお見合いを進めていき、昨年末から仲良く暮らしています。
「野生下で距離が近い2種だから」という理由もあると思われますが、好奇心旺盛で怖いもの知らずなウメと、人見知り気味で内弁慶なぺルドンの相性がよかったことも、同居が成功した要因のひとつかもしれません。
〈夜はぺルドンの背中にウメが抱き着いて寝ています。〉
ウメの発作は、すごく驚いたときに出る程度のため、日常生活では問題なく元気いっぱいに暮らしています。
〈ぺルドンの餌を目にもとまらぬ速さで奪うウメと、なぜか飼育員をにらむぺルドン。なぜ...。〉
お客さんから見えないバックヤードでも、飼育動物の環境をよりよくするために様々な取り組みを行っています。
ほかの動物たちについても、また今度お伝えしますね!
バックヤード担当より