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3月24日 傷病鳥獣保護レポート
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3月24日 傷病鳥獣保護レポート

(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2017年03月24日)

「飼育員の考えごと」に引き続き、新たに飼育ブログでシリーズ化にしようと企んでいる

坂口飼育員です・・。

ときわ動物園では、動物園動物の飼育や展示以外にも、山口県から委託を受けて、

山口県内で交通事故などで、傷ついた野生動物を保護・治療して、再び、自然に戻す傷病鳥獣保護業務も行っています。

動物園動物とは、違うため、展示はしていません。だから、あまり皆さんに見てもらう機会はありませんでしたが、今年は酉年ということもあり、

このブログで、傷病鳥獣保護事業のことも書いていこうと思います。(傷病鳥獣では、鳥の保護依頼が大部分を占めます。)

 今回紹介するのは、ヒクイナという鳥です。

ヒクイナのブログ用.jpg

これがヒクイナの雛です。皆さん、知っていますか?恥ずかしい話、私も保護で動物園に持ち込まれて、初めて、こういう鳥がいるのを知りました。勉強不足でした!!

ヒクイナとは、ツル目クイナ科に分類される鳥です。山口県では、準絶滅危惧種に指定されています。

ヤンバルクイナの仲間というとイメージしやすいでしょうか。

雛と成体の姿は全く異なります。上司の意見と図鑑と雛を見比べて、嘴の模様からもヒクイナと判断しました。

宇部市内で、ネコに襲われていたところを保護されてきました。

種類すら分からなかったのに、その雛を育てる・・・

ヒクイナ体重測定.jpg

こんなまっくろくろすけみたいな、体重8グラムの小さい雛を!?

さぁ、どうしょう・・。人が動物の赤ちゃんを育てるのは、とても大変で難しいことです。

ヒクイナの飼い方・・なんて本はありません。

幸い、上司にヒクイナの保護経験があり、その経験を参考に、あとは動物を観察しながら、試行錯誤で育てます。

まずは餌付け・・

野生下では、昆虫類や水生生物を食べるといわれています。そこで、まずは熱帯魚の餌用に販売されているコオロギを与えてみました。

生きた虫だったから、抵抗もなく、あっさりと食べてくれました。ほっと一安心。

野生から保護された動物は人からの餌を拒絶して、餌付かずにそのまま死んでしまうこともあります。最初の餌付けはとても重要です!

それからは、毎日ヒクイナのために餌の虫を確保するのに必死でした。

ニホンザルやタヌキの世話をしながら、園内で虫取りをしたり、

仕事が終わった後、ダッシュでペットショップへ餌用の養殖コオロギを買いにいったり・・

ヒクイナの世話と同時に餌用のコオロギも飼育しなければならないため、先輩飼育員に虫の世話をお願いしたり・・

(あのときは、ありがとうございました!)

その甲斐あって、ヒクイナも無事にすくすく成長していきました。

成長に合わせて、

水浴び.JPG

水浴びをしはじめたり、

羽根の生え変わり.jpg

羽根が生え換わってきたり・・

ヒクイナ成体.JPG

飼育ケースの掃除中、部屋内を散歩したり・・

ヒクイナ放鳥前.JPG

放鳥前にはすっかりクイナらしく?なってきました。

(体重測定に使ってる箱は雛のときからずっと同じ箱です。成長の具合がおわかりでしょうか・・?体重も60gになりました!)

そして、

放鳥.JPG

放鳥しました!

元気で!!一生懸命生きてね!!

そんな想いで放鳥しました。

 野生動物の保護はとても難しいです。彼らは人に触られたり、捕まるだけで、大きなストレスを受けます。そんな野生動物を

今回、無事に育て、野生に戻すことができ、とても貴重な経験を積むことができました。

ヒクイナの育雛~放鳥までを通して、大変でしたが、飼育や傷病鳥獣の活動に手応えを感じることができ、

ほんの少しだけ、自信がついた気がしました。

しかし、放鳥したあとでも、いろいろと考えます。

育てることはできたけど、ヒクイナとしての生き方やコミュニケーションは教えることができなかった・・

これでよかったのか、なるべく野生に戻っても、餌をとれるように、虫は生きたまま与えるようにして、狩りの練習?をさせたけど、

大丈夫だろうか?天敵からの逃げ方は大丈夫だろうか?

考えたら、キリがないくらい様々なことを考え、

やはり本物の親に勝るものはないと思います。

だんだん春が近づいてきます。今日はウグイスの鳴き声も聞こえました。

野鳥の鳥たちの子育ての時期が始まります。

どうか、皆さん、鳥の雛を見かけても、拾わないでください。側に親鳥がいることがほとんどです。

雛は親鳥に育ててもらうのが一番です。

野生動物には野生動物の生き方があります。

「見守る・そっとしておく」

これが私たち人が、野生動物のくらしを守るためにできる、第一歩なのではないでしょうか?

もし、雛をみつけて、なんとかしてあげたいと思ったら、電話してください。相談してください。

何をしてやれるか、一緒に考えましょう。

私は、このヒクイナから飼育から野生動物の付き合い方、さまざまなこと教えてもらった気がします。

このヒクイナとの出会いを無駄にしないためにも、

何ができるか?考えながら、動物飼育や傷病鳥獣保護業務に取り組みたいと思います。

ヒクイナ・・素敵な鳥。こんな鳥が宇部市内にいるんです(^0^)

あーまたヒクイナに会いたいな。

いつまでも、ヒクイナに出会える環境を残していけるように活動しなければ!

傷病鳥獣 担当 坂口

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