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11月14日 世界キツネザルの日 おしえて!島先生【番外編②】
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11月14日 世界キツネザルの日 おしえて!島先生【番外編②】

(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2021年11月01日)

10月29日の世界キツネザルの日の特別動画「おしえて!島先生」の番外編②です。

番外編①はこちら

☆特別動画は3本あります!公式YouTubeからご視聴ください

 

Q5. 日本でタマリンドが手に入る場所を知っていますか?

A5.

まずはご存知ない方のために...

「タマリンド」は野生のワオキツネザルたちがよく食べている果物です。

タマリンド.jpg

ドライフルーツに加工されたタマリンド(写真上が殻付き、下が殻を取り除いた状態です)

 

豆のような形をしていますが、硬い殻の中にある実は甘酸っぱいアンズのような味がします。

当園のキツネザルたちも大好きで、毎年世界キツネザルの日に合わせてプレゼントしています。

20211029'.jpg

DSC06727.JPG

日本で栽培しているところはおそらくありませんが、主にインドやタイのものが輸入され、国内でも販売されています。煮込み料理などに使うためのペーストも作られていて、エスニック料理の材料を扱うお店にもありますし、オンラインで購入できるものもたくさんありますよ。

キツネザルの大好物、ぜひ味わってみてくださいね!

 

  

Q6. アカエリマキキツネザルは巣をつくると聞きましたが、どんな巣ですか?他に巣をつくるキツネザルはいますか?

A6.

アカエリマキキツネザルの他にも、当園でも飼育しているエリマキキツネザル(クロシロエリマキキツネザル)も子育てのための巣をつくります。これはサルの仲間ではとても珍しい行動です。ほとんどのサルのこどもは、生まれるとすぐにお母さんのおなかや背中にしっかりとつかまったまま赤ちゃん時代を過ごすので、巣をつくる必要がありません。しかし、エリマキキツネザルは木の枝や葉っぱなどを使って高い木の上に簡単な巣をつくり、お母さんは授乳などの時以外はそこに赤ちゃんを置いていくんです。

動物園には天敵がいないので高いところである必要はありませんが、当園で繁殖した時にも安心して子育てができるようにケージを置いておいたところ、その中で授乳し、赤ちゃんを置いていく行動がみられました。

DSC06179.JPG

ケージの中で授乳中

 

DSC06355.JPG

こどもたちだけでお留守番

 

  

Q7. キツネザルは指によって爪の形がちがうのですか?

A7.

指先までよく観察してくださったんですね!その通りです。

基本的には平爪といって私たちと同じような形の爪ですが、後ろ肢の第2指だけは根元からカーブした「鉤爪(かぎづめ)」。毛づくろいをするのに便利なためだといわれています。

左前肢(爪).jpg

左前肢 すべての爪が平爪です

 

左後肢(爪)※ブログ用 第2指○.jpg

左後肢 第2指だけ鉤爪...といいつつも、親指以外は鉤爪っぽく見えます

 

 

Q8. 動物園のキツネザルが舌を出し入れするところをよく見ます。どんな意味がありますか?

A8.

当園でもたまに見かけることがありますが、どのような意味をもつのかはわかっていません(た、たぶん...私の知る限りは...)。しかし、他の動物ではにおいを嗅ぐための行動だと考えられています。

「ヤコブソン器官」とか「鋤鼻器(じょびき)」というのはご存じでしょうか?においを感じる器官で、特にフェロモンの受容に特化しているといわれています。ヤコブソン器官は口の中などふだんは外気に触れないところにあるので、舌を出し入れすることでにおいを感じやすくしているんです。ヘビが舌をちろちろしていたり、ウマが歯茎をむき出しにしているのを見たことがあるかもしれませんね。

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出し入れしているところではありませんが、ぺろっと舌出すジュンイチ

ほとんどの霊長類にはヤコブソン器官はありませんが(ヒトにもありません)、キツネザルにはこれがあるので、もしかしたら他の動物のようににおいを嗅ぎやすくしているのかも...?

 

  

Q9. どうやって大きな声を出しているのですか?

A9.

とても大きな声で鳴くエリマキキツネザルのことでしょうか。

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こちらも詳しくはわかりませんが、鳴いている時の様子を見てみると、口の中を大きく膨らませて響かせていたり、口を大きく開いたり閉めたりすることで音を変えているように見えます。また、首を伸ばして体も大きく使ってさらに響くようにしているようですね。

  

  

いただいた質問は以上になります!

質問を募集してみて、皆さんがどのようなことに興味をもっていらっしゃるのか知ることができました。

ほとんどの質問に「わかりません」というお返事でご満足いただけなかったかもしれませんが、キツネザルにはわからないことがたくさんあります。色々なことに疑問をもって観察してみると、新しい発見があるかもしれません。

明確にお答えできない場合もたくさんありますが、ぜひ飼育員にもお声かけください。

 

世界キツネザルの日を通して、皆さんのキツネザルへの興味が少しでも増えていたらうれしいです。

魅力もふしぎもいっぱいのキツネザルにぜひ会いに来てくださいね!

 

担当:かわで

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