9月10日 ヤギ糞の活用術
みなさんこんにちは。
夏は草木がいっそう生い茂りますね。
そろそろヤギに除草をしてもらおうかと思う今日この頃です。
ヤギといえば、ときわ動物園では今年初めてヤギにフューチャーしたイベントを行いました。
5月10日、英語でゴート(日本語でヤギという意味)の日に、ヤギ特別ガイドを開催し、家畜の紹介やヤギの役割などについてクイズを交えながらお話をしました。
当日は約30名もの来園者の方にご参加いただき、「来年もやってほしい!」とお声がけいただいた大好評のイベントとなりました!
今回はヤギの日特別ガイドでも登場した、ヤギ糞についてのこぼれ話です。
ヤギの糞をご覧になったことはありますか?
コロコロとした楕円形です。
同じ反芻家畜である牛の糞の水分含有量が80~90%であるのに対し、ヤギ糞は約45%と低く、取り扱いが容易です。
そのため、ヤギ糞は堆肥として利用され、ときわ動物園でも動物が食べる青草を育てている畑に撒かれています。
また、反芻家畜の糞利用は堆肥だけでなく、モンゴルではヤギやウシの糞は燃料としても使われます。
アイスランドでは羊の糞で燻製したウイスキーなんかもあるそうです!
そこで、当園でもヤギ糞で燻製をしてみました!
まず、燃料にするためにヤギ糞を乾燥させて水分を飛ばします。
1日乾燥させた糞がこちら!
見た目ではあまりわかりませんが、少しだけパラパラと崩れやすくなったように感じました。
この糞を使って燻製!といきたいところですが、普通の燻製との違いを確かめるために、りんごチップも用意しました。
まずはりんごチップから
熱して
タマゴ、チーズ、たくあんを乗せて
燻製!
お、美味しそう~!!
続いてヤギ糞
水分を飛ばしたといっても、やはり火の通りは時間がかかります。
なのでちょっと糞を炙ってからスタート!
発火しているのがわかりますか?早速燃料らしい現象が見られて大興奮!
全体に熱がいきわたるように糞を混ぜて
燻製!色の付きが悪かったので、りんごチップよりも少しだけ長めに
すごい!ちゃんと燻製の見た目をしています!
くらべるとこんなかんじ
(左:ヤギ糞/右:りんごチップ)
どちらもいい色になりました!
見た目は遜色なく、香りはヤギ糞の方が少し煙を強く感じました。
いざ実食!
チーズのスモーキーさがヤギ糞の方がちょっとだけ強く感じましたが、知らないで食べたらどっちがヤギ糞かわからないくらい、臭みを感じませんでした。
ちなみに他の飼育員にも試食してもらいましたが、りんごチップとヤギ糞の違いが味でわかる人、ニオイでわかる人、勘で当てる人、味の違いはわかるけどヤギ糞はどっちかわからない人、全くわからない人など様々でした。
共通して言えることは、どっちも美味しいということ!
ヤギ糞は燃料としても使えるということが実感できました。
このように、生き物の糞は私たちの生活の一部を支えてくれていることがあります。
どんなところに使われているか、探してみてください!
担当:井上