8月23日 なりきり獣医さん2025!
(カテゴリ:獣医師の雑談) (投稿日:2025年08月23日)
こんにちは!
最後に記事を書いたのがいつだったか...もうわからない獣医師です!!
今後も時たま登場したいと思います。
さて皆様、夏はまだまだ続いています。
(暦の上では秋だよと言われてもわたしは信じません)
暑い中歩き回るのはちょっと...と、動物園からは足が遠のきがちになっちゃいますよね。
ときわ動物園は木陰がたくさんあるので、実は(思ったより)暑くない!......のですが、
それでも身の危険を感じるほど暑い日がまだまだあります。
なので、毎日熱中症指数を計測し、基準値を超えた場合は
その日のイベントを中止して、熱中症対策としていますよ。
ということで、国内平均気温が観測史上最高となる
伝説的な猛暑に見舞われてしまった今年の7月ですが、
そんな中でも元気にお仕事をしてくれたこどもたちを紹介します!!
じゃーん
これは、職員が保定するヤギのお尻に体温計を入れて、体温を測っているところ。
去る7月27日(日曜日)に、「なりきり獣医さん ~あなたも動物園の獣医さん~」というイベントを行いました。
多数のご応募の中から見事当選した小学校4,5年生の参加者6名が
この日は動物園の獣医さんになりきって、ヤギの診察をしてくれたのです。
まずは動物病院の中で、ヤギについての勉強から。
どれくらいの大きさの動物? 正常な体温は? ふだんの食べ物は?
そこに、ヤギ担当の飼育員さんがやってきます。何か困っているみたい。
なんと、ヤギがなんだか下痢ぎみなんだって。
こんなこともあろうかと、健康なヤギのコロコロうんちについてはさっき予習済み!
今日のはコロコロうんちがつながってダンゴ状になって、確かに変ですねえ。
(紙コップの中にうんちが入っています)
飼育員さんに詳しく話を聞いて、下痢の原因を探ります。
「問診」というお仕事です。
元気は? 食欲は? 他におかしなこと、気になることは?
聞いたことは「カルテ」にしっかり記録。
次は、ヤギ舎へ行って、実際に動物を「診察」します!
普段触ることがない大きい生き物、ちょっと怖いけど、
慎重におなかを触ったり聴診したりすることができました。
それから、おかしなうんちは顕微鏡で「検査」して、
おなかの調子をよくする薬を「調剤」して!
まだ仕事は終わりません。
最後は飼育員さんに結果報告と、今後の相談です。
「うんちに寄生虫はいませんでした。」
「下痢ぎみなのは、いつもとちがうものを食べたせいでしょう。」
「整腸剤を出しますので、しばらくあげて、様子をみてください。」
最後は参加者一人ひとりからちゃんと報告ができました!
飼育員さんもみんなに「ありがとうございます!」と言ってくれましたよ。
その後、準備した飲み薬もヤギに飲ませてあげましたが、これがなかなか難しい。
錠剤をあげても口から出してしまう!
キャベツにくるんだり、牧草といっしょに口に入れてみたら?
できなかったことは、「どうやったらできるようになる?」と考えながら
いろんなやり方で試してみましょう。
最初に書いたとおり、とっても暑い中での活動になりましたので、
外を歩くときは、冷たくしたタオルを首に巻いて熱中症対策を。
動物の病気やけがを治すのが獣医さんの仕事だけど、
動物も人も、元々病気やけがにならないのが一番!
自分の健康を守るのも、とても大事な仕事のひとつなのです。
自分の将来や仕事について考えるきっかけになったかな?
将来の獣医師候補たちに拍手をおねがいします!!
担当:田丸