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6月13日 husbandry training
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6月13日 husbandry training

(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2015年06月13日)

今日のブログは文字いっぱいですので、心して読んでくださいね!

 

タイトルはかっこよく英語にしてみましたが、みなさんは「ハズバンダリートレーニング」って知っていますか?

最近、いろいろな動物園のいろいろな動物に対して取り入れられているので聞いたことがある方も多いかもしれません。

husbandryは直訳すると「農業」「畜産」のような意味があり、日本語ではうまく表せないことばなのですが、わかりやすく言うと「治療や健康管理のためのケアを動物にストレスをかけずに行うためのトレーニング」です。

 

では、具体的に何をするの?というと...

今やっているのは、これ!

IMG_2684

 

あれ、何をしてるかわからない??

体重を測っているんです!

IMG_2681

こんな人間用の体重計と

IMG_2680

「強化子」と呼ばれるごほうびには食パンを使っています。

 

トレーニングを始めるまでは、シシオザルの体重を測るためには、捕まえて、檻に入れて、檻ごと体重計にのせる必要がありました。

捕まえたり狭い檻に入れたりすることは動物にとって大きな負担となるので、けがや病気の治療をしたり引っ越しをしたりする時にしか体重を測ることはできませんでした。

 

でも、ハズバンダリートレーニングによってガッツ、レタス、ヒロの3頭は自分から体重計にのってくれるようになったので、毎日の体重の変化を知ることができるようになりました。

 

みなさんの中にも、毎日体重を測って健康管理やダイエットに取り組んでいる方がいらっしゃるのではないでしょうか?

体重測定は、動物にとっても人間にとっても、健康管理の基本中の基本。

 

見た目から太っている、ふつう、痩せている、など大まかな評価をすることはできますが、動物たちの体には毛が生えているので、ふつう体型だと思っていたけど、測ってみたらすごく痩せていた、なんてこともあるんです。

 

また、測定結果を見てエサの量を調節したり、元気があるかどうかを 表情や歩き方、うんちの状態などと合わせて判断する材料にしたりします。

人間でも、体調を崩して元気がないとすこし体重が落ちたりしますよね。

動物園で飼育している野生動物は、けがをしたり具合が悪かったりするのを隠そうとするので(弱っていることが敵にわかると狙われてしまいますからね!)、数字でみることで細かな体調の変化を見逃さずに飼育管理ができるようになる!...はずです。

 

実際に今日測定した3頭の体重は、

ガッツ→8.2㎏

レタス→8.7㎏

ヒロ→5.4㎏   でした!

半年前と比べると、ガッツは少し太り、レタスは少し痩せ、ヒロは妊娠中なので900gほど体重が増えています。

 

今は健康管理に役立つトレーニングとしては体重測定しかできていませんが、将来的には体温を測ったり採血をしたり、メスの妊娠をいち早く知るためにエコーの検査をしたり、他にもいろいろなことができるようにトレーニングを進めていきます。

 

シシオザルの他にもトクモンキーでトレーニングを開始しましたので、これからもみなさまに経過をお伝えしていきたいと思います!

 

ハズバンダリートレーニングは、行動分析学に基づいて科学的な根拠をもって行っています。

ただ動物と仲良しになればいい、というわけではないんです。

また、ゴリラやチンパンジーなどの大型類人猿は知能が高い、賢いというイメージがあるようですが、シシオザルだってとっても賢くて、トレーニングを始めて2日目で体重計にのれるようになったんですよ!

霊長類だけでなくいろいろな動物に対してハズバンダリートレーニングは有効。

近い将来、ときわ動物園でもたくさんの動物たちに取り入れられるといいな!と思っています。

担当:かわで


 

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